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労務管理体制についてこんな悩みはございませんか?
労働関連法令は法改正が多い分野であり、また、日々新しい裁判例も多く出されています。このような労働関連法令の変更をフォローすることは非常に困難です。また、そのような変更をフォローできていたとしても、内容が難解で、その内容を自身の事業にどのように適用すれば良いのか分からない場合が多いようです。そのような悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
多くの企業が抱える労務管理の問題点
例①
概要
多くの企業で問題が発生しやすいのが賃金の支払いに関してです。賃金の支払いやその前提となる労働条件・労働時間の考え方は非常に複雑で多岐にわたります。実際にも、正しく賃金を支払うことができている会社は多くありません。この点をおざなりにすると、以下のようなリスクが具体化する可能性があります。
これらの問題を放置するリスク
賃金が正しく支払われていない場合、後日、従業員から多額の残業代請求を受ける可能性があります。賃金の請求権に関する消滅時効の期間が従前の2年から3年に延長されたことに伴い、企業のリスクは増大しています。今後、3年から5年へ延長される可能性もありますから、今のうちに対策を講じておく必要性が高いです。
例②
概要
従業員を安易に解雇していないでしょうか。解雇は労働契約法において厳しく制限されています。これは正社員に限られたことではなく、パートタイマー従業員についても同様です。
これらの問題を放置するリスク
従業員を解雇する場合、通常、数段階にわたる手順を経た上で行われる必要があります。必要な手順を踏まず、また、明確な証拠を残さないまま従業員を解雇した場合、解雇が無効と判断される可能性が高く、その場合、多額の金銭を支払わなければなりません。必要な手順や証拠の残し方などを十分に理解した上で、実践できるよう、専門家から適切なレクチャーを受ける必要があります。
労務管理体制の見直しは“労務監査”をご活用ください
“労務監査”とは
労務監査とは、企業が従業員との間で適切な労働関係を築いているか、また法律を遵守しているかを確認・評価するために行われる監査プロセスです。労働関連法規の遵守状況を確認し、違反があれば是正措置を講じることになります。労務管理に関するリスクを早期に発見し、対処することを目的としています。
労務監査における対応事項の詳細
労務監査でチェックされる主な項目は以下のとおりです。
①労働基準法遵守の状況
- 労働時間、休憩時間、休日が法律や労働協約に基づいて適切に管理されているか
- 残業手当や休日手当などが正しく支払われているか
- 最低賃金が守られているか
②雇用契約の管理
- 労働契約が書面で適切に結ばれ、保存されているか
- 契約内容が法律や規制に適合しているか
③安全衛生管理
- 職場の安全衛生管理が適切に行われているか
- 労働者に対する健康診断が定期的に実施されているか
④ハラスメント対策
- セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの対策が講じられているか
- 相談窓口や対策体制が整っているか
⑤社会保険の適用状況
- 社会保険への加入手続が適切に行われているか
労務監査をご活用いただくメリット
①労務リスクの防止・対策
労務問題は、見過ごされがちですが、放置すると大きな問題に発展する可能性があります。監査を通じて問題を早期に発見し、対処することで、より大きな損害やリスクを防ぎます。特に労働法遵守と労務問題の早期解決は、労働訴訟のリスクを大幅に軽減させます。訴訟は費用がかかるだけではなく、企業のイメージにも悪影響を及ぼすため、事前の労務監査によるリスク回避は非常に重要です。
現状の労務管理体制を労務の専門家である弁護士と社労士が共同で調査・分析した上で、リスク回避のための適切な対応策をご提案させていただきます。
当事務所における労務監査の対応実績
事例① ~労務監査により解雇・退職への理解不足を発見~
概要
保険代理店業を営む企業様から、自社の労務周りの問題点について一度総点検したいとのご要望をいただき、労務監査サービスをご提案させていただきました。労務監査を実施するにあたっては、事前に就業規則などの労務周りの書類をご提出いただき、その内容を精査した上で、実際に事業所に赴き、従業員などからも聞取りをさせていただき、各チェック項目について調査を行いました。
フィードバックの概要・弁護士からのご提案
チェックした項目について、当事務所で分析を行い、各チェック項目の法適合性について評価させていただき、また、全体としての評価についても算出させていただきました。その企業様では、解雇などの労働契約の始期と終期に関する意識が通常より低いことが分かり、特に注意が必要であることが分かりました。したがって、フィードバックにあたっては労働契約の始期と終期にかかわる部分を中心にお話しさせていただきました。その後、当事務所主催にて幹部社員向けに特に解雇に関する基本的な事項や解雇を行う場合の適切なステップについて説明させていただきました。
事例② ~労務監査により長時間労働のリスクとその原因が判明~
概要
複数の介護事業所を営む企業様から、自社が急成長する中で骨太の労務管理体制を構築したいとのご要望をいただき、労務監査サービスをご提案させていただきました。労務監査を実施するにあたっては、事前に就業規則などの労務周りの書類をご提出いただき、その内容を精査した上で、実際に事業所に赴き聞取りをさせていただき、各チェック項目について調査を行いました。
フィードバックの概要・弁護士からのご提案
チェックした項目について、当事務所で分析を行い、各チェック項目の法適合性について評価させていただき、また、全体としての評価についても算出させていただきました。その企業様では、何名か長時間労働が常態化している従業員がいました。固定残業手当も導入しているが、必ずしも有効となる運用をしていると言い難く、この点は早急に改善が必要であると提案させていただきました。なお、労務監査の過程で、長時間労働を希望する従業員の一人は多重債務状態であるため多額の残業代を希望して長時間労働を望んでいたことが判明し、当事務所でその従業員の債務整理も行って長時間労働問題を抜本的に解決することができました。
また、労務監査の過程で、従業員の自動車通勤により会社が損害賠償責任(使用者責任)を負うリスクが見つかり、その改善策も提案しました。
事例③ ~労務監査により就業規則が改正未対応であることが判明~
概要
グループ会社10社を有する企業様から、子会社の労務管理状況まで目が届いていない状況があり、本社による監督機能強化の目的も含めてグループ会社10社の労務リスクを洗い出したいとのご要望をいただき、労務監査サービスをご提案させていただきました。
フィードバックの概要・弁護士からのご提案
労務監査を実施するにあたっては、グループ会社10社を効率よく労務監査するために、監査スケージュールを提案し、その企業様とすり合わせしながら実施しました。その企業様では、本社を含めてグループ会社全体で、就業規則が古く、法改正に対応していない条項や運用が複数存在することが判明しました。
また、管理監督者や固定残業手当について、過去の判例状況と照らすと、有効となる要件を満たしておらず、残業代のリスクが存在していることも判明し、これらの適切な運用を行うための改善プロセスを提案しました。
当事務所における労務監査の特徴
弁護士×社労士による総合的なチェック
労務監査は社会保険労務士が単独で行うことも多いですが、社会保険労務士は法律のプロではありません。一方、弁護士は法律の専門家ではありますが、社会保険業務について必ずしも精通しているわけではありません。
当事務所では弁護士と社労士が共同で労務監査を実施させていただきますので、漏れのない総合的なチェックを行うことができます。
トラブル対応実績を生かした調査・分析
当事務所は、労働問題を専門に扱っており、労務体制の不備に起因した数々の労働問題・労働訴訟を解決してきました。そのような実際のトラブル対応の実績を踏まえて、より実践的な調査・分析を行います。
社会保険労務士のみの労務監査ですと弁護士による事後法務的な視点が抜けるかもしれません。他方、弁護士のみの労務監査ですと社会労務士による事前法務的な視点が抜けるかもしれません。当事務所では、両視点をもって厳格に労務監査を実施しますので、リスク分析に抜け漏れはありません。
労務問題の改善に向けた対応策のご提案
以上のような総合的なチェックと実践的な調査・分析により抽出された企業様の労務問題については、一つ一つ丁寧に対応策をご提案させていただきます。
労使トラブルに発展する企業様は、そもそも、その企業様の労務管理において根本的な問題やリスクが潜んでいる可能性があります。そうなると、労使紛争を解決しても、その解決は対症療法に過ぎず、根本治療がなされないまま、再度同様の労使紛争が発生することがあります。そのような労使紛争を繰り返す企業様も実例として見てきました。
当事務所では、顧問契約や労務コンサルティングにより、労務管理における根本的な問題やリスクを解消することができます。このような根本治療により問題を根本的に解決できれば、労使紛争は激減し、かえって労使紛争により生じる費用が節約されコストカットになりますし、何よりも企業様が望む理想的な労使関係を構築するためには不可欠です。
労務監査に関するご相談は当事務所へ
同じ労働問題に対して、事前法務・日常管理的な業務を行う社労士と、事後法務・危機対応的な業務を行う弁護士とで、事案の捉え方や解決の視点が異なることがあります。また、ある法改正でも、社労士と弁護士とで視点が異なるため、法改正情報の着眼点や重視するポイントが異なります。時として、顧問弁護士と顧問社労士の見解が異なり、どちらの見解に従えばよいか混乱している企業様もいます。
当事務所は、労務監査においても、弁護士・社労士の両視点を統合した最適解や重要情報を提示しております。労務監査に関するご相談は労務問題に精通した弁護士と社労士が在席している当事務所にお任せ下さい。