ブレイスコラム

健康経営の未来:「女性の健康保持・増進」に向けた取り組み

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はじめに

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近年、健康経営が注目され、従業員の健康保持・増進が企業価値の向上に直結すると考えられるようになりました。特に健康経営を積極的に推進する企業においては、「女性の健康保持・増進」に向けた取り組みに関心が寄せられています。
今回のコラムでは、2024年に健康経営優良法人(中小企業部門)として認定された当事務所が実施した取り組みを紹介します。妊娠中の従業員へのヒアリング、新年度に入社した女性新入社員への周知活動、さらに就業規則に健康経営を支える規程を整備する重要性について取り上げます。


妊娠期に必要なサポート:柔軟な制度設計の重要性

当事務所で長年勤務している従業員が妊娠・出産を機に産休に入ることになり、妊娠中の従業員が直面する課題を把握するためにヒアリングを実施しました。その結果、以下の課題が浮き彫りになりました。

1. 制度の周知と適用範囲の拡大
「育児介護休業規程」などの制度は、従業員が入社時点で認識できるよう周知徹底が求められます。
また、有給休暇が少ない新入社員でも利用できる補完的な制度(例:医療受診用の特別休暇)の必要性が指摘されました。

2. 身体への配慮と働き方の選択肢
通勤緩和や時差通勤、在宅勤務の導入が妊娠中の従業員の負担軽減につながります。
また、横になれるスペースやリラックスできる職場環境の整備も重要です。

3. 安心感を高めるコミュニケーションとサポート体制
安定期までは妊娠を全体に共有しにくいと感じる従業員も多くいます。
直属の上司や信頼できる同僚に報告しやすい環境が、サポート体制の充実につながります。

4.外出や休憩時の配慮
小さな声掛けや気遣いも、妊娠中の従業員にとっては大きな安心材料です。
例えば、「外回りの業務は問題ないか」といった確認や、休憩を取りやすい職場の空気感は、働きやすさに直結します。

5. 復職後や育児中の働き方を支える制度
復職時の心理的負担を軽減するための面談、短時間休暇の導入、柔軟な勤務体制の確保などが挙げられました。

また、育休取得中の従業員の仕事をカバーする同僚の負担軽減も重要であるとの指摘がありました。業務の見える化やタスクの分散、必要に応じた派遣社員やフリーランスの活用を進めるなど、職場全体が円滑に機能し、誰もが無理なく働ける仕組みづくりについても意見が挙がりました。


女性新入社員への周知活動:健康経営の基盤づくり

2024年度、新たに女性新入社員3名が入社したことを受け、以下のような健康経営を支える各種制度を周知する活動を実施しました。

  • 育児介護休業規程:育児や介護における休業や、所定外労働や時間外労働の制限、短時間勤務といった柔軟な働き方を保証する規程。
  • 母性健康管理措置:妊娠中の健康診査や医師の指導を受けた場合に必要な措置が取れる仕組み。
  • 生理日の就業免除:生理日が困難な従業員が就業免除を申請できる仕組み。
  • 育児時間の確保:生後1年未満の子を育てる従業員に、1日2回、各30分の育児時間を付与。

健康経営に注力している企業は求職者からの評価も高まり、優秀な人材の確保が期待できると言われています。実際、健康経営優良法人の認定が新入社員の応募動機となったことを実感しています。
さらに、これらの各種制度を周知したことにより、新入社員が安心して働ける環境であることを理解し、新入社員の定着に繋がるのではと期待しています。

健康経営を支える就業規則の整備

今回の周知活動を踏まえ、健康経営を推進する上で、就業規則に以下のような規程を盛り込むことの重要性を感じています。

  • ・産前産後休暇の明確化
  • ・母性健康管理のための通院休暇
  • ・時差出勤や休憩措置の柔軟な対応
  • ・育児時間や生理日の配慮

これらの規程を明確にすることで、従業員が安心して働ける職場を提供できると考え、当事務所では、就業規則の整備や運用についても支援を行っております。

健康経営を推進する職場づくりへ

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健康経営の本質は、従業員一人ひとりの声に耳を傾け、働きやすい環境を整えることにあります。妊娠中や育児中の従業員だけでなく、男女問わず疾病や介護など様々なライフイベントに対応できる制度を整えることで、企業の成長と持続可能性を高めることができます。
同時に、休職中の従業員を支える同僚の負担軽減に向けた支援策の導入も忘れてはなりません。経営者を含め職場全体が協力し合いながら、負担を最小限に抑えることにより、長期的には社員満足度やエンゲージメントの向上につながるものと考えます。
健康経営に取り組みたいとお考えの企業様は、ぜひ当事務所にご相談ください。一緒に働きがいのある職場を築いていきましょう。